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2026年9月10日 17:30
ヘイ!ドゥラエムン!!四次元パケットからタケカプトゥー出してよ
気軽に絡んでね
DOLCE1
愛川美輝
  • 予約しないと入れない、新宿カジュアル鮨にぎりて
    2026年9月10日 17:30




































    鮨は鮮度が命。

    それは間違いではない。

    だが、魚は新しければ新しいほど旨い、という単純な料理でもない。

    血を抜き、水分を管理し、魚ごとに必要な時間を待つ。

    獲れたてを尊ぶ鮨とは逆方向にある「時間」を味方につけた時、魚はどこまで旨くなるのか。

    その答えを確かめるため、西新宿のSushi Bar にぎりてへ。

    カウンターのみの店内は、高級鮨のように肩肘を張らせる空気はなく、店名通りSushi Barと呼ぶ方がしっくりくる。

    だが、魚への向き合い方はそのカジュアルさとは対照的だ。

    にぎりては、津本式究極の血抜き公認店。

    全鮮魚に津本式究極の血抜きを施し、低温で管理しながら、その先に熟成という時間を置く。

    メニューを見れば、ネタごとに熟成日数が記され、その期間は一律ではない。

    数日で握る魚もあれば、一週間を超えるもの、二週間以上待つものまである。

    長く寝かせた魚が偉いわけではない。

    魚によって、旨さの頂点へ辿り着くまでの時間が違う。

    熟成日数は勲章ではなく、「この魚をいつ握るか」という職人の判断の記録だと思う。

    今回いただいたのは、

    かんぱち

    中トロ

    イカ

    アジ

    えんがわ

    海老

    いくら

    ネギトロ細巻き

    トロたく細巻き

    あぶらぼうず。

    まずは、かんぱち。

    表面には細かく包丁が入り、甘みのある白酢シャリと合わせる。

    ここで意識するのは、単純な鮮度ではない。

    血を抜き、状態を整え、時間を置いた魚を一貫としてどう成立させるのか。

    熟成とは、魚を強い味に変えるための技術ではなく、余計なものを出さず、その魚が持つ旨味をどこまで引き出せるかという仕事なのだと思う。

    続く中トロ。

    脂そのものが分かりやすい旨さになる鮪だからこそ、それだけで押し切らず、シャリと一緒に食べた時にどう着地するかが重要になる。

    そこからイカへ。

    白い身と白酢シャリというシンプルな構成に移ることで、脂の余韻を一度切り替える。

    そしてアジ。

    青魚は血や脂の扱いが味に出やすい。

    だからこそ、全鮮魚に血抜きを施すという、この店の考え方を理解するには外せない一貫だ。

    津本式を使う目的は、魚を長く保存すること自体ではない。

    臭みにつながる要素を抑え、魚をいい状態で保ち、その先にある旨味へ繋げる。

    熟成という時間を成立させる前に、まず時間を味方にできる魚へ仕立てる仕事がある。

    えんがわは表面を炙り、ここまでとは違う香ばしさを加える。

    海老を挟み、いくらの軍艦へ。

    握りが続いたところに海苔の香りといくらの存在感が入ることで、流れにも変化が生まれる。

    さらにネギトロ細巻きとトロたく細巻き。

    同じ鮪を軸にしていても、食べさせ方はまるで違う。

    ネギトロは鮪を中心に据え、トロたくは沢庵の食感と塩気を加える。

    海苔、シャリ、具材を一緒に口へ運ぶ細巻きだからこそ、握りとは違った鮪の脂の受け止め方が見えてくる。

    そして最後は、あぶらぼうず。

    名前の通り、脂に強い個性を持つ魚。

    表面へ火を入れることで香ばしさを重ね、今回の十品の中でも力強い一貫で締める。

    淡白な魚を熟成させて旨味を引き出すだけではない。

    もともと脂の強い魚をどう扱い、どこへ着地させるのか。

    そこまで含めて魚ごとに答えを変えている。

    ここまで食べると、メニューに熟成日数を記す意味も見えてくる。

    何日寝かせたかを競っているのではない。

    魚によって、待つべき時間が違うことを客にも見せている。

    血抜き、保存、熟成、切りつけ、味付け、シャリ。

    「○日熟成」という数字は、その工程の最後に見える結果でしかない。

    さらに基本二貫で提供する熟成魚は、同じネタを二度繰り返すのではなく、一貫ずつ味付けまで変える。

    ただ高級なネタを並べるのとも、珍しい魚を揃えるのとも違う。

    にぎりてが食べさせているのは、魚そのものと同時に「時間」なのだと思う。

    鮨は鮮度が命。

    その常識を否定する必要はない。

    締めた直後にしかない旨さも確かにある。

    だが、正しく血を抜き、状態を整え、その魚に必要な時間を待つことで初めて辿り着ける旨さもある。

    大切なのは、新しいか古いかではない。

    その魚が、いつ旨いのかを見極められること。

    高級鮨のように構えず食べられるカウンターで、一貫の裏側には数日、時には二週間を超える時間が流れている。

    Sushi Bar にぎりて。

    ここで味わう熟成とは、時間をかけたことをありがたがるための技法ではない。

    待つべき魚を、待つべきところまで待つ。

    そして、その時間が最も報われる瞬間を一貫にする。

    鮮度を競う鮨とはまた違う、時間にしか作れない旨さがここにはあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #SushiBarにぎりて

    #新宿鮨

  • 新宿西口の人気カジュアル鮨、にぎりて
    2026年9月9日 17:49




































    鮨は鮮度が命。

    それは間違いではない。

    だが、魚は新しければ新しいほど旨い、という単純な料理でもない。

    血を抜き、水分を管理し、魚ごとに必要な時間を待つ。

    獲れたてを尊ぶ鮨とは逆方向にある「時間」を味方につけた時、魚はどこまで旨くなるのか。

    その答えを確かめるため、西新宿のSushi Bar にぎりてへ。

    カウンターのみの店内は、高級鮨のように肩肘を張らせる空気はなく、店名通りSushi Barと呼ぶ方がしっくりくる。

    だが、魚への向き合い方はそのカジュアルさとは対照的だ。

    にぎりては、津本式究極の血抜き公認店。

    全鮮魚に津本式究極の血抜きを施し、低温で管理しながら、その先に熟成という時間を置く。

    メニューを見れば、ネタごとに熟成日数が記され、その期間は一律ではない。

    数日で握る魚もあれば、一週間を超えるもの、二週間以上待つものまである。

    長く寝かせた魚が偉いわけではない。

    魚によって、旨さの頂点へ辿り着くまでの時間が違う。

    熟成日数は勲章ではなく、「この魚をいつ握るか」という職人の判断の記録だと思う。

    今回いただいたのは、

    かんぱち

    中トロ

    イカ

    アジ

    えんがわ

    海老

    いくら

    ネギトロ細巻き

    トロたく細巻き

    あぶらぼうず。

    まずは、かんぱち。

    表面には細かく包丁が入り、甘みのある白酢シャリと合わせる。

    ここで意識するのは、単純な鮮度ではない。

    血を抜き、状態を整え、時間を置いた魚を一貫としてどう成立させるのか。

    熟成とは、魚を強い味に変えるための技術ではなく、余計なものを出さず、その魚が持つ旨味をどこまで引き出せるかという仕事なのだと思う。

    続く中トロ。

    脂そのものが分かりやすい旨さになる鮪だからこそ、それだけで押し切らず、シャリと一緒に食べた時にどう着地するかが重要になる。

    そこからイカへ。

    白い身と白酢シャリというシンプルな構成に移ることで、脂の余韻を一度切り替える。

    そしてアジ。

    青魚は血や脂の扱いが味に出やすい。

    だからこそ、全鮮魚に血抜きを施すという、この店の考え方を理解するには外せない一貫だ。

    津本式を使う目的は、魚を長く保存すること自体ではない。

    臭みにつながる要素を抑え、魚をいい状態で保ち、その先にある旨味へ繋げる。

    熟成という時間を成立させる前に、まず時間を味方にできる魚へ仕立てる仕事がある。

    えんがわは表面を炙り、ここまでとは違う香ばしさを加える。

    海老を挟み、いくらの軍艦へ。

    握りが続いたところに海苔の香りといくらの存在感が入ることで、流れにも変化が生まれる。

    さらにネギトロ細巻きとトロたく細巻き。

    同じ鮪を軸にしていても、食べさせ方はまるで違う。

    ネギトロは鮪を中心に据え、トロたくは沢庵の食感と塩気を加える。

    海苔、シャリ、具材を一緒に口へ運ぶ細巻きだからこそ、握りとは違った鮪の脂の受け止め方が見えてくる。

    そして最後は、あぶらぼうず。

    名前の通り、脂に強い個性を持つ魚。

    表面へ火を入れることで香ばしさを重ね、今回の十品の中でも力強い一貫で締める。

    淡白な魚を熟成させて旨味を引き出すだけではない。

    もともと脂の強い魚をどう扱い、どこへ着地させるのか。

    そこまで含めて魚ごとに答えを変えている。

    ここまで食べると、メニューに熟成日数を記す意味も見えてくる。

    何日寝かせたかを競っているのではない。

    魚によって、待つべき時間が違うことを客にも見せている。

    血抜き、保存、熟成、切りつけ、味付け、シャリ。

    「○日熟成」という数字は、その工程の最後に見える結果でしかない。

    さらに基本二貫で提供する熟成魚は、同じネタを二度繰り返すのではなく、一貫ずつ味付けまで変える。

    ただ高級なネタを並べるのとも、珍しい魚を揃えるのとも違う。

    にぎりてが食べさせているのは、魚そのものと同時に「時間」なのだと思う。

    鮨は鮮度が命。

    その常識を否定する必要はない。

    締めた直後にしかない旨さも確かにある。

    だが、正しく血を抜き、状態を整え、その魚に必要な時間を待つことで初めて辿り着ける旨さもある。

    大切なのは、新しいか古いかではない。

    その魚が、いつ旨いのかを見極められること。

    高級鮨のように構えず食べられるカウンターで、一貫の裏側には数日、時には二週間を超える時間が流れている。

    Sushi Bar にぎりて。

    ここで味わう熟成とは、時間をかけたことをありがたがるための技法ではない。

    待つべき魚を、待つべきところまで待つ。

    そして、その時間が最も報われる瞬間を一貫にする。

    鮮度を競う鮨とはまた違う、時間にしか作れない旨さがここにはあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #SushiBarにぎりて

    #新宿鮨

  • まじで行った方がいいと思う数少ないお店。西早稲田新屋敷
    2026年9月8日 15:14















    テレビで有吉弘行が絶賛し、その年の自身のNo.1グルメにまで選んだアジフライがある。

    そこまで言われれば期待はする。

    だが、どれほど世間で持て囃されていても、アジフライは大衆的な定食の代表格だ。

    衣を厚くし、油とソースの力を借りれば、それなりの満足感は作れる。

    有名人の絶賛と、本当にそこまで旨いのかは別の話。

    その評判を自分の舌で確かめるため、西早稲田の酒肴 新屋敷へ。

    古民家を改装した店内には木の温もりが残り、華美な演出はない。

    さらに店主の池田隼人氏は「マツコの知らない世界」にアジフライの案内人として出演した人物。

    話題だけが先行した店ではなく、アジフライそのものを突き詰めてきた店だ。

    今回いただいたのは、

    アジフライと焼きメンチのあいもり 2,500円。

    アジフライ2枚に焼きメンチ3個、ご飯と味噌汁が付く。

    まずは何もつけずにアジフライを一口。

    ここで評判の理由が分かる。

    衣はサクッと軽く、その内側の身はふっくらとして水分をしっかり残している。

    衣の香ばしさが先に来ても、油に味を持っていかれない。

    噛むほどにアジの旨味へ主役が移っていく。

    新屋敷が大切にしているのは、アジへ余計な熱を入れず、その水分を残すこと。

    アジフライは強く揚げればいい料理ではない。

    衣に火を通しながら、魚には火を入れすぎない。

    その境目を見極めるからこそ、揚げ物でありながらアジそのものを食べている感覚が残る。

    卓上の調味料で変化をつけてもいい。

    ただ、何もつけなくても十分に成立する。

    ソースの味で完成させるのではなく、最後までアジを主役から降ろさない。

    有吉が年間No.1に選んだという話にも、ここでようやく納得できた。

    だが、今回もう一つ強烈に記憶へ残ったのが焼きメンチだった。

    埼玉県寄居町の銘柄豚、よりいポークを使ったメンチを揚げ、さらに薪で焼く。

    一口食べると、粗挽き肉の肉感と豚の脂の旨味に、薪焼き特有の香りが重なる。

    単に香ばしいのではない。

    噛んだ後に薪の香りが鼻へ抜け、その余韻までがメンチカツの味になっている。

    薪焼き新神戸や鈴田式で、薪の香りを料理にまとわせる仕事は何度も味わってきた。

    ただ、その技法をメンチカツで味わったのは初めてだった。

    肉汁の量や衣の軽さを競うメンチカツとは、そもそも狙っている場所が違う。

    豚肉を衣で包んで揚げるところを完成にせず、そこから薪の火を重ね、香りまで料理の一部にする。

    ここで、同じ皿にアジフライと焼きメンチを並べる意味が見えてくる。

    アジは、余計な火を入れないことで素材の旨さを残す。

    メンチは、揚げた先でもう一度火を重ねることで新しい旨さを作る。

    片方は引き算。

    片方は足し算。

    同じ揚げ物でありながら、火に対する考え方は真逆だ。

    さらに米は毎朝店内で精米し、味噌汁にはアジなどの骨から取ったアラ汁を使う。

    名物のアジフライだけ作り込み、ご飯と味噌汁を添えた定食ではない。

    魚を仕入れ、状態を見極めて揚げ、その骨まで汁に使い、合わせる米まで自分たちで整える。

    一膳の端まで仕事が途切れない。

    有名人が絶賛したから旨いのではない。

    素材の状態を見極め、どこまで火を入れ、どこで止めるのか。

    反対に、どこからもう一度火を重ねるのか。

    その積み重ねの先に、結果として評価がついてきたのだと思う。

    有吉のアジフライを目当てに訪れて、薪焼きのメンチまで忘れられなくなる。

    名物が一つでは終わらない。

    このあいもりを選ぶ意味は、二つの旨さではなく、二つの火入れを一膳で味わえることにあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #新屋敷

    #西早稲田

    #百名店

  • 大久保ジラフクレープ。説明のいらない美味さだそう。
    2026年9月7日 15:25











    クレープは、中身を増やすほど豪華に見える。

    だが、アイス、クリーム、ソースを重ねた瞬間、生地は簡単に脇役になる。

    水分を吸って食感を失えば、最後に残るのは甘い具材を包んだだけの薄い皮。

    専門店の差が出るのは、何を詰めたかではなく、最後の一口まで生地を食べさせられるかだ。

    その答えを確かめるため、大久保駅から徒歩2分、新宿タウンプラザビルにあるジラフクレープ 新宿店へ。

    通りから階段を上がると、ガラス扉には説明のいらないうまさの文字。

    窓際のカウンターと木のテーブル、壁に残されたサイン、棚に置かれたキリン。

    深夜25時まで営業する店内は、小さく気取らず、夜に甘いものを食べたい時にも使いやすい。

    注文したのは、期間限定のキャラメルマキアートクリーム。

    キリン模様を思わせる焼き目の生地から、大きなキャラメルアイスがのぞく。

    その上にはキャラメルソースとチョコフレーク。

    内側には生クリームとエスプレッソゼリーが収められている。

    最初に来るのは、冷たいアイスとソースの濃い甘み。

    そこへエスプレッソゼリーのほろ苦さが差し込み、生クリームが両者をなめらかにつなぐ。

    エスプレッソをソースではなくゼリーで入れることで、全体を同じ味に染めず、口に入る場所によって甘さと苦さの比率を変えてくる。

    チョコフレークの軽い歯触りも、アイス、ゼリー、クリームと続く柔らかさの中で単調さを断つ。

    だが、この一枚で最も印象に残るのは、大きなアイスではない。

    生地だ。

    ひと噛み目はサクッと香ばしく砕け、その直後に折り重なった部分のもっちりとした弾力が追いかけてくる。

    サクサクともっちり。

    相反する二つの食感が同じ一枚にあり、アイスや生クリームをこれだけ抱えても埋もれない。

    大きなアイスまで入るため、軽くつまむクレープではない。

    冷たいパフェを、一枚の生地で持ち歩ける形へ変えたような、しっかり量のあるデザートだ。

    それでも甘さと重さだけで終わらないのは、キャラメルへエスプレッソの苦味を置き、柔らかな中身へ生地の香ばしさと歯触りをぶつけているからだ。

    キャラメルマキアートは、キャラメルをかけただけでは成立しない。

    甘いキャラメルをエスプレッソが引き締め、その重なりを生地が最後まで支える。

    ドアに書かれた説明のいらないうまさ。

    その言葉の答えは、豪華な中身ではなく、最後まで存在を失わない生地にあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #ジラフクレープ

    #大久保

  • 炊き立て羽釜ご飯と鮮魚、焼き魚を雰囲気良く。渋谷篤魚
    2026年9月6日 18:42






























    焼き魚は、厚く切れば旨くなるわけではない。

    むしろ厚みを出すほど難しくなる。

    表面を香ばしく焼きながら、中心まできちんと熱を届け、それでも身の水分は逃がさない。

    薄い切り身なら誤魔化せる火入れも、3cm、5cmと厚くなれば、その差はそのまま魚に出る。

    だから、ぶ厚い焼き魚を看板にするなら、見た目の迫力だけでは成立しない。

    問われるのは、その厚さを最後まで旨さに変えられるかだ。

    その答えを確かめるため、神泉駅から徒歩3分、渋谷駅から徒歩8分、円山町にある篤魚 神泉谷へ。

    2025年12月15日オープン。

    焼き魚と炊き立ての羽釜ご飯を軸に据えた和食店で、魚は種類に応じて3~5cmほどの厚さに切り出し、備長炭で火を入れる。

    米は米マイスターが選び、羽釜で炊き上げる。

    店名の篤魚は、寿司店や魚業態で経験を積んだ店長、大村篤志氏の名前に由来する。

    篤という字が持つ丁寧さと、この店を象徴するぶ厚い魚。

    名前の段階から、やりたいことがはっきりしている。

    ランチでは焼き魚定食を前面に出しているが、この日は夜にアラカルトで。

    最初は刺身盛り合わせ。

    鰆、カツオ、ヒラメ、イカの雲丹乗せ、小肌、カンパチ。

    白身、赤身、青魚、烏賊まで性格の違う魚が一皿に並び、その中央にイカと雲丹を置く。

    小肌には細かく包丁が入り、鰆は皮目を残す。

    これから炭火の魚を食べる店で、最初に生の魚を並べる。

    焼きだけで勝負する店ではなく、まず魚そのものをどう扱う店なのかを見せる始まり方だ。

    続く焼きなすは、皮を落とした茄子に鰹節をたっぷり。

    ここから炭火の香りが食卓に入り始める。

    そこへ甘海老クリームコロッケ。

    丸く揚がった衣を割ると、中から現れるのは白いベシャメル一色ではなく、甘海老を使った色の濃いクリーム。

    刺身、焼き物だけに魚の見せ場を限定せず、揚げ物まできちんと置く。

    夜にアラカルトで食べる篤魚の幅が、この一皿で見えてくる。

    そこから椎茸、長芋、新れんこん。

    面白いのは、野菜まで小さくまとめないこと。

    椎茸は傘の存在感を残し、長芋は皮付きのまま厚く切る。

    新れんこんも薄い輪切りではなく、大きく切り分けて表面に焼き目を付ける。

    魚だけを厚くして看板にするのではなく、野菜にも同じ考え方が流れている。

    素材を小さく整えて上品に見せるより、厚みを残し、炭火を当て、それぞれの持ち味を前に出す。

    ここまで食べると、篤魚のぶ厚いという言葉が単なる見た目の演出ではないことが分かってくる。

    そして、看板の焼き魚へ。

    銀ダラ西京焼き。

    魚を2日間漬け込み、厚く切った身を備長炭で焼き上げる。

    皿の上に置かれた一切れを見れば、この店が厚切りを掲げる理由は十分伝わる。

    表面には西京味噌が炭火で焼かれた濃い焼き色。

    だが、この料理で重要なのは外側の香ばしさだけではない。

    薄い魚なら味噌を焦がさず焼けば形になる。

    この厚さでは、外を焼きながら中心まで熱を通し、それでも身を乾かさない仕事が必要になる。

    2日間味を入れる時間と、備長炭で火を届ける時間。

    厚切りだからこそ、その両方が意味を持つ。

    続くブリ塩焼き。

    同じ厚切りでも、こちらは西京味噌を使わず塩で食べさせる。

    大きな切り身を立てるように盛り、皮目には炭の焼き色がしっかり入る。

    銀ダラは漬けと炭火。

    ブリは塩と炭火。

    同じ厚さ、同じ焼き魚でも、味の作り方まで同じにはしない。

    西京焼きでは調味と火入れの重なりを見せ、塩焼きでは魚と炭火の距離を近くする。

    二皿並べて初めて、この店が厚切りそのものを売っているわけではないことが分かる。

    最後は炊き立ての羽釜ご飯。

    粒が立ち、表面には艶がある。

    篤魚にとって焼き魚の脇役ではなく、もう一つの主役だ。

    なめこの味噌汁を添えて締める。

    刺身から始まり、揚げ物、焼野菜、銀ダラ、ブリまでアラカルトで広げてきたのに、最後にご飯と味噌汁を置くと、散らばっていた料理が一つの店へ戻ってくる。

    結局、篤魚がやっていることは奇抜ではない。

    魚を丁寧に扱い、炭で焼き、炊き立ての米と食べる。

    日本人なら昔から知っている組み合わせだ。

    だからこそ難しい。

    魚の厚さも、下処理も、火入れも、米の炊き方も、何か一つ弱ければそのまま分かってしまう。

    篤魚の面白さは、魚をぶ厚く切ったことではない。

    その厚さに耐えられる仕事をした上で、刺身、揚げ物、野菜、焼き魚へと夜のアラカルトを広げても、最後には焼き魚と米という一本の芯へ戻してくることにある。

    派手な料理へ作り替えるのではなく、誰もが知っている焼き魚とご飯を、どこまでごちそうにできるか。

    最初に抱いた問いへの答えは、厚さそのものではなかった。

    その厚さを旨さに変える仕事まで含めて、篤魚だった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #篤魚

    #渋谷

  • 和洋折衷イタリアン。虎ノ門ランパダ
    2026年9月5日 14:41




































    イタリアンに和を足す。

    今では、それだけなら珍しくない。

    味噌や醤油を使い、フォアグラを大根に乗せれば、見た目にも分かりやすい和洋折衷は作れる。

    だが、そこへ中華まで入れば話は変わる。

    自由になるほど料理は散らかりやすく、結局何の店だったのか分からなくなる。

    大事なのはジャンルをいくつ跨いだかではない。

    異なる国の料理を一つの酒場で食べた時、すべてにちゃんと同じ店の味がするか。

    その答えを確かめるため、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー4階のLampadaへ。

    イタリアンをベースに和や中華の要素まで取り込み、看板に据えるのは切りたての生ハムとニョッコフリット、そして北イタリアの郷土料理ボリートミストから着想した肉出汁のおでん。

    まずはニョッコフリット。

    揚げたての生地は中が空洞になるほどぷっくりと膨らみ、表面は香ばしく、中は軽い。

    これに合わせるのが、ランパダの生ハム・サラミの盛り合わせ。

    クラス、プロシュートコット、エスプレットスティック、フィノッキオーナサラミ、コッパ、ジャンボンセック シュペリウールの6種類。

    それぞれ塩気や脂、香辛料の方向が違い、切りたての生ハムを温かいニョッコフリットに乗せれば、脂が熱で緩み、生地の香ばしさと塩気が重なる。

    生ハムだけでも、ニョッコフリットだけでも完成しない。

    二つを一緒に食べさせるところまで含めて、Lampadaの一つ目の看板料理だ。

    続くトリュフオムレツは、一転して濃厚。

    柔らかく仕上げた卵をチーズソースで覆い、惜しげなく削ったトリュフを重ねる。

    卵、チーズ、トリュフ。

    どれも強い素材だが、中心にある卵の柔らかさを残したまま、香りとコクを一気に押し寄せさせる。

    ここから、もう一つの看板である創作おでんへ。

    ベースとなるのは、肉や香味野菜を煮込む北イタリアのボリートミストから着想し、鴨と鶏から取った肉出汁。

    この出汁を日本のおでんへ落とし込む。

    その考え方が最も素直に伝わるのが、車麩ととろろ昆布。

    肉の旨味を含んだ出汁を車麩に吸わせ、とろろ昆布を合わせる。

    イタリア料理を無理に和へ寄せるのではなく、出汁そのものを橋渡しにすることで、日本のおでん種が違和感なく収まっている。

    海老ととうもろこしのつみれは、ぷりっとした海老にとうもろこしの甘み。

    鴨肉の水餃子になると、今度は中華の形までおでんの中へ入ってくる。

    普通ならここまで振ればまとまりを失いそうだが、共通しているのは具材の国籍ではなく、肉出汁をどう受け止めさせるか。

    だから水餃子まで入っても、別の料理を途中で挟んだようには感じない。

    中でもLampadaらしさが分かりやすく表れたのが、大根とフォアグラの味噌ソース。

    出汁を含ませた大根にフォアグラを重ね、味噌ソースを合わせる。

    大根というおでんの定番に、フォアグラと味噌。

    一見すると派手な組み合わせだが、主役を増やすのではなく、淡い大根を土台にフォアグラの脂と味噌のコクを重ねることで、一皿として着地させている。

    豚バラナンコツは、煮込まれた肉の旨味を真正面から楽しませる一品。

    ここまで食べると、この店のおでんが単に変わった具材を出汁へ入れた「洋風おでん」ではないことが分かってくる。

    その合間に挟んだ、2年熟成芋の皮付きポテトフライ。

    こちらはおでんとは別の一品料理。

    皮付きのまま大きく切った芋にチーズを重ね、熟成芋の甘みを前に出す。

    出汁を中心とした料理が続く中で、揚げ物の香ばしさと芋の甘みが入り、口の流れを変えてくれる。

    そして、地ハマグリとムール貝の紹興酒蒸し。

    地ハマグリとムール貝という組み合わせに、選ぶ酒は白ワインでも日本酒でもなく紹興酒。

    貝から出る旨味と紹興酒を合わせることで、ここでも国籍では料理を決めないLampadaの考え方が見えてくる。

    生ハムにはニョッコフリット。

    鴨と鶏の肉出汁には車麩や大根だけでなく、つみれや水餃子。

    フォアグラには味噌。

    地ハマグリとムール貝には紹興酒。

    イタリア、日本、フランス、中国。

    これだけ自由に行き来すれば、本来なら一つくらい浮いてもおかしくない。

    それでも一軒の店として成立するのは、国籍を混ぜること自体を目的にしていないからだ。

    生ハムの脂には温かい生地。

    フォアグラの濃さには出汁を含んだ大根。

    貝の旨味には紹興酒。

    組み合わせには、それぞれちゃんと理由がある。

    和洋折衷という便利な言葉だけでは、この店は少し説明が足りない。

    国籍から料理を考えるのではなく、旨い組み合わせを辿った結果、国境がなくなった。

    Lampadaの面白さは、そこにある。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #Lampada

    #虎ノ門

    #ランパダ

  • まだ食べた事ない豚骨ラーメンがあるとは。藤沢ヌードルワークス
    2026年9月3日 18:44










    豚骨ラーメンは、一口飲めば大体どの方向の味か見当がつく。

    骨の香りで押すのか、脂で厚みを出すのか、たれを強く利かせるのか。

    大概の豚骨を食べてきたからこそ、白い泡を見た時も、濃厚なスープの口当たりを軽くした一杯だろうと思っていた。

    だが、一口目でその予想は外れた。

    濃厚なのに、知っているどの濃厚豚骨にも当てはまらない。

    泡の感触が珍しいのではなく、味そのものが初めてだった。

    藤沢駅南口から徒歩2分。

    店頭の券売機で食券を買い、11席のカウンターだけで営業するヌードルワークス藤沢店へ。

    2018年の開店以来、大分らぁめんを掲げる店だ。

    今回注文したのは、泡らぅめん。

    運ばれてきた丼は、隙間がないほど白くきめ細かな泡で覆われ、その上に薄桃色のチャーシュー、太いメンマ、青梗菜、辛子高菜、海苔が並ぶ。

    レンゲを入れると、最初に触れるのは泡の柔らかさ。

    口に含んだ直後、その印象を追い越すように骨を炊き切った濃いコクが押し寄せる。

    しっかり濃厚でありながら、脂だけが舌に残る重さはない。

    ほのかな甘みとまろやかさがあり、豚骨特有の臭みやくどさで力を見せるスープとも違う。

    その理由は、豚骨だけでは説明できない。

    国内産の豚のげん骨と背骨に、牛骨、鶏ガラまで加え、佐賀の職人が手掛けた容量250リットルの鋳物鉄釜で一昼夜炊き込む。

    そこから余分な灰汁と油脂を丁寧に取り除き、ニンニクを軸に数種類の材料を合わせて数日熟成させた、六十余年の系譜を持つ秘伝のたれを重ねる。

    複数の骨から引き出した濃さと熟成したたれが重なるから、一口目の印象だけでは味の正体を決められない。

    俺が初めてだと感じた理由を一つに絞ることはできないが、豚骨だけを炊いたスープとは明らかに奥行きが違う。

    合わせるのは極細のストレート麺。

    持ち上げると泡をしっかりまとい、細い一本一本がスープのコクを連れてくる。

    啜り心地は滑らかで軽いのに、口の中には濃厚な余韻が残る。

    薄切りのチャーシューは濃いスープの中でも肉の味を失わず、太いメンマと青梗菜が噛み心地を変える。

    中央の辛子高菜を少しずつ崩せば、まろやかなスープへ鋭い辛味が入り、後半は別の表情になる。

    食べ進めて泡が減っても、スープの濃さは落ちない。

    そこで初めて、泡が濃厚さを作っているのではなく、元から濃いスープを柔らかく舌へ届けているのだと分かる。

    泡で奇をてらった豚骨ではない。

    土台から初めての味で、その濃さを泡によって完成させた一杯だ。

    豚骨を知り尽くしたつもりはない。

    それでも大概は食べてきた。

    その俺が久しぶりに、次の一口を予想できない豚骨に出会った。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #ヌードルワークス

    #藤沢

  • 恵比寿鳥一代。参鶏湯と焼き鳥。
    2026年9月2日 23:47
































    焼き鳥と参鶏湯。

    同じ鶏料理でも、求められる仕事は正反対だ。

    串は短い火入れで部位の個性を残し、参鶏湯は長い時間をかけて一羽の力をスープへ移す。

    この二つを看板に掲げるなら、串が上手い、鍋が濃いだけでは足りない。

    刺し、焼き、煮込みまでを一つの流れにし、鶏一色でも最後まで飽きさせない構成が必要になる。

    その力を確かめるため、恵比寿駅から徒歩1分、三恵8ビル4階にある鳥一代 恵比寿へ。

    2011年からこの街で営業を続ける、肩肘張らずに鶏料理と酒を楽しめる店だ。

    最初は塩昆布ピーマン。

    細切りの生ピーマンに塩昆布をたっぷり重ね、白胡麻を散らしたシンプルな一皿。

    噛んだ瞬間の瑞々しさと青い苦味を、塩昆布の塩気とうま味が酒へつなげる。

    続く長芋キムチは、大ぶりに切られた長芋の歯切れから、遅れて粘りとキムチの辛味が現れる。

    大葉と胡麻の香りも加わり、辛さだけを残さず軽やかに収める。

    どちらも派手な前菜ではない。

    だが、青さ、塩気、辛味、食感で口を起こし、この後の鶏料理へ自然に切り替える始まり方としてよくできている。

    トロ白レバーは表面に焼き色を付けながら、中心には艶のある赤みを残す。

    ねっとりとした舌触りと濃密なコクを、たっぷりの葱と薬味で切り、重さを後まで引きずらせない。

    砂肝は塩でシンプルに焼き、添えられた柚子胡椒を少し。

    余計な味を加えない分、噛んだ時の歯切れと部位特有の弾力が真っすぐ伝わる。

    その間に挟んだとうもろこし揚げは、芯付きのまま厚く切り、濃い揚げ色を付けた豪快な姿。

    表面の香ばしさの後から粒の甘さが広がり、続いていた鶏のコクから一度口を離してくれる。

    鳥ユッケには、一般的な鶏より長い期間をかけて育てられる大摩桜を使用。

    中央の卵黄を崩し、鶏、葱、胡麻を一緒に混ぜる。

    黄身のまろやかさが鶏を包みながらも、肉の弾力は埋もれず、葱と胡麻が後味に変化をつける。

    焼き鳥5本盛り合わせは、ねぎま、手羽先、つくね、ぼんじり、胸とろ。

    毎日新鮮な状態で届く信玄どりを、一本ずつ焼き上げる。

    ねぎまは鶏の肉汁を葱の焦げた香りが受け止め、手羽先は皮目の焼きと骨周りの濃い味を楽しませる。

    手捏ねのつくねはふっくらと柔らかく、ぼんじりは脂の甘さが前に出る。

    胸とろは胸肉らしい軽さを残しながら、淡白では終わらない。

    肉、皮、骨周り、挽肉、脂。

    五本を並べただけではなく、一皿の中で鶏の部位差を順番に食べさせる盛り合わせになっている。

    そして最後に、この店の看板である参鶏湯。

    鳥一代では、鶏とスープを同じ鍋で煮て終わらせない。

    ひな鶏の腹にもち米、朝鮮人参、なつめ、ニンニク、栗を詰めて10時間煮込み、スープは鶏ガラ、モミジ、トサカ、長葱、生姜、ニンニクを別に約7時間炊き出す。

    時間をかけて仕上げた鶏とスープを最後に合わせ、初めて一つの鍋が完成する。

    白濁したスープには鶏のコクが十分に溶けているが、薬膳の香りだけが前に出る重さはない。

    鶏は箸を入れるだけでほどけ、内側のもち米がスープを吸い込み、一口ごとに出汁を抱えてくる。

    途中から自家製の辛味噌を加えれば、まろやかなスープに辛味が差し込み、同じ鍋をもう一段違う味で食べ進められる。

    一串ごとの緊張感や驚きを競う高級焼き鳥店ではない。

    普段使いの居酒屋の顔をしながら、小皿、ユッケ、串、鍋と進むほど、ここまでの料理が鶏という一本の線でつながっていく。

    鳥一代の強さは、一羽を丸ごと煮込む豪快さだけではない。

    刺し、焼き、煮込みと姿を変えながら、鶏一色の夜を最後まで単調にさせないことにある。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #鳥一代

    #恵比寿

  • 居酒屋以上割烹未満。横浜めしや白虎
    2026年8月31日 15:11
































    雲丹、いくら、蟹、和牛。

    これだけ並べれば、写真は簡単に豪華になる。

    だが、料理まで豪華になるとは限らない。

    味の強い素材は、足すほど互いの良さを潰しやすい。

    海鮮と和牛の両方を看板に掲げるなら、問われるのは仕入れだけではなく、それぞれをどう食べさせ、最後まで一つの流れにできるかだ。

    俺の基準は明確だ。

    盛り付けの派手さにごまかされず、一口目で素材の質が伝わり、その先に仕込みと火入れの理由があるか。

    その答えを確かめるため、横浜駅きた西口から徒歩3分、鶴屋町のガレリア横浜地下1階にある、めしや 白虎 横浜へ。

    2025年11月30日オープン。

    赤坂の高級鮨 箕輪と恵比寿の高級焼肉 牛姫が仕入れる鮮魚と和牛を、居酒屋以上・割烹未満の距離感で食べさせる。

    日本全国から選んだ35種類の日本酒を揃え、22歳以下は入店不可。

    大人が落ち着いて料理と酒に向き合うための線を、店側から引いている。

    ビル脇の階段を地下へ下りると、黒い壁に白虎の印。

    店内は厨房を囲むカウンターと木のテーブル席を中心に、奥には個室も備える。

    暗めの色調に暖色の照明を落とした空間だが、割烹のように構えさせる堅さはない。

    最初は、お通しの鰻の棒鮨。

    表面に焼き目をつけた鰻と酢飯を、添えられた海苔で巻いて食べる。

    鰻の脂と甘いタレを酢飯が受け、最後に海苔の香りが重なる。

    お通しを軽い一品で済ませず、最初から鮨と酒場の距離感を示してくる。

    続く黒毛和牛すじタワー大根は、褐色になるまで出汁を含ませた太い大根を中央に立て、その周囲を黒毛和牛すじで埋めた名物料理。

    箸を入れれば大根は素直に割れ、ほどけた牛すじと甘辛い煮汁が絡む。

    見た目は豪快だが、中心にあるのはあくまで大根。

    牛すじの脂と旨味を受け止めながら、料理全体を重たくしすぎない。

    そのまま食べた後は、柚子胡椒で脂を切り、からしで煮汁の甘みを締める。

    高さだけで終わらせず、最後まで食べるための逃げ道まで用意されている。

    白虎の極み海鮮盛りは、横浜中央市場から毎朝届く鮮魚を使った、二人前から注文できる大皿。

    刺身六点に、ボタン海老、雲丹、いくら、蟹、明太子までを盛り込む。

    運ばれた瞬間の華やかさは確かに強い。

    だが、見るべきは品数ではない。

    厚く切った刺身の食感、ボタン海老の甘み、雲丹や蟹のコク、明太子の塩気。

    強い食材を一つの味に混ぜず、少しずつ行き来できるよう盛り分けている。

    鮨店の仕入れを持つ店らしさが、最も分かりやすく表れた一皿だ。

    ここで肉味噌ピーマン。

    肉厚の生ピーマンに肉味噌を乗せて食べる、極めて単純な料理だ。

    だからこそ、ピーマンのみずみずしさと苦味、肉味噌のコクと塩気のバランスがそのまま出る。

    海鮮盛りの後に入る青い苦味が口を戻し、次の料理へ無理なく繋いでいく。

    華やかな皿を続けるだけではなく、食事の流れを整える一品を挟めるのも白虎の強さだ。

    鮨屋のなめろうは、魚を細かく潰し切らず、身の大きさを残した仕上がり。

    青唐辛子の辛味が魚の脂と味噌の後から追い、重たくなりがちななめろうを引き締める。

    味噌で魚を覆うのではなく、噛むほどに身の旨味を出し、最後に刺激だけを残す。

    トリュフ香るポテトフライは、太めのポテトに細かく削ったチーズと黒胡椒を重ねる。

    香りだけで押す料理になりやすい組み合わせだが、揚げたての熱とチーズの脂にトリュフを乗せることで、ポテトそのものから香りが立ち上がる。

    分かりやすい料理だが、分かりやすいからこそ手が止まらない。

    ジャンボ椎茸南蛮は、肉厚の椎茸を揚げ、南蛮だれと具材感を残した自家製タルタルソースを合わせる。

    これだけタルタルを乗せれば、普通の椎茸は味ごと消える。

    だが、名前通りの大きさと厚みがあるから、噛んだ瞬間に椎茸の水分と香りが戻ってくる。

    甘酢とタルタルを受け止めても、椎茸が最後まで料理の中心に残る。

    からすみ蕎麦には、細かく削った唐津産のからすみを、麺が隠れるほどたっぷりと散らす。

    すだちと山葵を添えて手繰れば、からすみの塩気とコクが蕎麦の香りに絡み、すだちの酸味が後味を切る。

    これは口をさっぱりさせるための蕎麦ではない。

    蕎麦を使って、もう一杯飲ませるための締めだ。

    そして今回、最も印象に残ったのが、和牛と蟹と雲丹といくらのわっぱ飯。

    蓋を開けると、中央の卵黄を囲むように炙り和牛を並べ、その外側を蟹のほぐし身、雲丹、いくらで埋めている。

    一見すると、強い食材をすべて乗せた料理にも見える。

    だが、卵黄を崩してご飯ごと混ぜると、それぞれの役割が変わる。

    和牛の脂が米を包み、蟹の甘みが伸び、雲丹が全体に溶け、いくらの塩気が一口ごとに変化をつける。

    高級食材を別々に見せるのではなく、最後はすべてご飯へ戻している。

    豪華な具材を食べるわっぱ飯ではない。

    豪華な具材で、米を食べさせるわっぱ飯だ。

    白虎が鮮魚と和牛の両方を扱う意味が、最も明確に伝わった一品だった。

    厚切り牛タン焼きは、カウンター越しの炭火で表面に焼き目をつけながら、中心には赤みを残す。

    厚さのある五切れを豪快に盛り、まずは岩塩で牛タンそのものを味わい、途中から自家製青唐辛子味噌を合わせる。

    岩塩は肉の甘みを引き出し、青唐辛子味噌は脂の余韻を辛味で締める。

    余計なソースで飾らず、肉質と火入れを正面から食べさせるところに、焼肉店の仕入れを持つ白虎らしさが出ている。

    白虎には、確かに写真を撮りたくなる料理が多い。

    だが、印象に残ったのはタワーの高さでも、海鮮盛りの品数でもない。

    タワー大根は大根を食べさせ、海鮮盛りは素材ごとの差を作り、ジャンボ椎茸南蛮は濃いソースの中に椎茸を残す。

    そして、わっぱ飯は和牛も蟹も雲丹もいくらも、最後はすべて米のために使っていた。

    映えに逃げず、豪華な素材をどう料理として成立させるか。

    鮨と焼肉、二つの仕入れを同じ店の味にまとめた答えは、最後のわっぱの中にあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #めしや白虎

    #横浜居酒屋

    #横浜グルメ

    #横浜ディナー

  • 東の横綱。鶯谷の鶯谷園
    2026年8月30日 17:18






























    「コスパが良い」という言葉を、俺は簡単には信用しない。

    安さの裏には肉質の妥協があり、圧倒的な旨さには相応の値段がある。それが焼肉の世界では当たり前だと思ってきた。

    だから、長年「コスパ最強」と語り継がれる店ほど疑ってかかる。

    鶯谷園。

    1968年の創業以来、派手な演出も、高級店のようなコースもない。

    それでも半世紀以上、この街へ焼肉好きだけを呼び続けてきた。

    俺が確かめたかったのは、「安いから人気」なのか、それとも「肉が圧倒的だから人気」なのか。その答えだった。

    最初に運ばれるキムチ盛り合わせで舌を整え、続く上タン塩を頬張る。

    厚切りで豪快さを競うのではなく、一番心地よく歯が入る厚みに揃えられている。

    噛み始めの弾力と、そのあと静かにほどける柔らかさ。

    何気ない一皿なのに、この店の包丁仕事が伝わってくる。

    そして、特上ヒレ。

    網から上げた瞬間の艶だけで期待は高まるが、その期待は一口目で軽く追い越された。

    厚みがあるのに驚くほど繊維が細かく、噛むたび赤身の旨味だけが静かに広がる。

    柔らかいヒレではない。

    ヒレという部位が持つ品格まで食べさせてくれる一皿だった。

    特上カルビと大トロカルビは、同じ霜降りでも表情がまるで違う。

    特上カルビは赤身との均衡が美しく、脂の甘みが肉の旨味を押し上げる。

    対する大トロカルビは、舌の熱だけでほどけるほど濃厚でありながら、脂がしつこさではなく甘い余韻へ変わっていく。

    上質な脂とは何かを、説明ではなく一口で理解させられた。

    ハラミは濃厚な肉汁を蓄えながらも重たさはなく、噛み締めるほど旨味が深くなる。

    そして、この日もっとも印象に残ったのが特上ランプだった。

    派手な霜降りではない。

    それでも赤身の甘みと香りが驚くほど澄んでいて、脂ではなく肉そのものの力だけで惹きつけてくる。

    霜降りの華やかさに目を奪われたあとだからこそ、この一皿の完成度がより際立った。

    締めのユッケジャンスープも抜かりがない。

    牛の旨味をしっかりと土台に据えながら辛味だけが走ることはなく、焼肉の余韻を最後まで崩さず締めくくってくれる。

    ただ、本音を言えば、この日は上質な霜降りが続いたぶん、後半は胃が少し追いつかなかった。

    若い頃なら無限に食べられたかもしれない。

    それでも、それは肉が重たいからではない。

    惜しみなく最高の肉を重ねてくる、この店の遠慮のなさゆえの贅沢だ。

    会計を見て、ようやく世間が「コスパ最強」と語る理由が腑に落ちた。

    ここで評価されているのは価格ではない。

    高級店でしか味わえないと思っていた肉を、町焼肉という何気ない空間で当たり前のように出し続ける、その実力だ。

    半世紀以上、流行が変わっても愛され続ける理由はシンプルだった。

    鶯谷園は、コスパの店ではない。肉だけで歴史を積み重ねてきた店だった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #焼肉鶯谷園

    #鶯谷

    #百名店

  • 赤坂に新オープンの和中華。赤坂夜舟
    2026年8月29日 14:47






























    和出汁と中華の融合は、聞こえがいい。

    だが、その言葉ほど料理人の腕が露わになる組み合わせもない。

    油脂と香辛料で押す中華に出汁を重ねれば、少しの判断違いで味の輪郭はぼやける。反対に和へ寄せすぎれば、中華が持つ熱と勢いが死ぬ。

    大事なのは二つを足したことではなく、どちらも弱めず一皿として着地させられるかだ。

    その境目を確かめるため、赤坂見附駅から徒歩3分、H1O赤坂の2階にある赤坂夜舟へ。

    複数の飲食店が集まるkaiwaii akasakaの一角。木のカウンターには大きな銅色の照明が浮かび、奥には蒸籠が積み上がる。客席と厨房を隔てすぎず、注文を受けてから小籠包を包む手元まで見える、料理人との距離が近い店だ。

    最初に出されたのは、竹炭を練り込んだ新じゃがとチーズの饅頭。

    漆黒の皮に歯を入れると、しっとりとした新じゃがの甘みにチーズのコクが重なる。強い見た目に対して味は穏やか。単なるお通しではなく、中華の形に異なる食材を収める夜舟の考え方を最初に伝える名刺代わりの一品だ。

    小菜5種盛り合わせは、赤海老の紹興酒漬け、胡瓜とくらげの白酢和え、北海蛸の青葱花椒ソース、よだれ鶏に、チャイニーズポテトサラダと杏露酒に漬けたトマトを合わせる。

    白酢と昆布出汁で角を抑えたくらげの酸味、花椒を効かせた蛸、よだれ鶏の辛み、ポテトサラダの濃度、杏露酒を含ませたトマトの甘み。同じ皿の中で役割が重ならず、冷菜だけで口の状態を何度も切り替えてくる。

    海老のフリットはチリソースで。

    天かすを混ぜた衣は表面が細かく立ち、大ぶりの海老に濃いソースをたっぷり絡めてもザクザクとした食感が残る。甘みの後から程よい辛さが追い、添えられた花巻で皿に残ったソースまで拾わせる。海老を食べ終えたところで料理を終わらせない構成もよくできている。

    海老春巻きは一本を二つに切って提供。

    海老、大葉、筍を包み、仕上げには柚子とチーズ。薄く揚がった皮の香ばしさ、海老の弾力、筍の歯触りに、大葉と柚子の香りが抜ける。チーズでコクを足しながら、和の香りで揚げ物の重さを残さない。

    和牛麻婆豆腐は、土鍋の中でグツグツと煮立った状態で登場する。

    刺激だけを競う麻婆ではなく、辛さは最後まで食べ切れるちょうどいい強さ。和牛の旨みと黒い餡のコクが先に立つため、辛さの奥にきちんと味が残る。高価な肉を使ったという肩書きで終わらず、挽肉の存在感まで麻婆全体の厚みに変えている。

    旬食材の春巻きはズワイ蟹。

    甲羅を大胆に重ね、揚げた春雨の上に太い春巻きを置く。目を引く盛り付けだが、中身が弱ければ演出だけが浮いてしまう。

    その心配は必要なかった。

    薄く揚がった皮の中にはズワイ蟹の身が密に詰まり、噛むほどに蟹の甘みが広がる。添えられたすだちを搾れば、蟹の味を消さずに油だけが軽くなる。見た目の迫力を、食材の量と味で支えた春巻きだ。

    ここからは看板の小籠包。

    黒豚小籠包は四個、フカヒレ小籠包は二個。

    注文を受けてから一つずつ包むため、蒸し上がった薄皮の中にスープがしっかりと残る。黒豚は肉の甘みとスープの一体感が主役。フカヒレは上湯のコクに独特の食感を重ね、同じ小籠包でも食べさせる方向が違う。

    具材だけを替えた二種類ではない。黒豚は肉、フカヒレはスープを軸に組み立てている。包む技術と中身の設計が噛み合った小籠包は、今回特に印象に残った。

    締めは、土鍋おこげ旬菜の餡掛け。

    熱した土鍋のおこげに、複数のきのことアスパラを入れた餡が注がれ、ジューという音とともに湯気が立つ。

    最初は硬く香ばしいおこげが、餡を吸うほどに外側からしんなりとほどけていく。カリカリとした部分、餡を含んだ部分、その中間が同じ土鍋に残り、一口ごとに食感が変わる。

    濃い味で無理に締めるのではなく、きのこの旨みと旬菜を生かした優しい餡で最後まで食べさせる。小籠包と並び、このおこげが今回の中で最も良かった。

    赤坂夜舟は、和の食材を使った中華という言葉だけでは足りない。

    昆布出汁、大葉、柚子、旬の食材を、中華の包む、揚げる、蒸す、餡を掛ける技術の中へ自然に入れている。

    中華のパンチを削って和へ寄せるのでも、和の食材を飾りとして置くのでもない。

    中華の熱を残したまま、和の引き算で着地させる。

    その難しい均衡が、看板の小籠包と最後のおこげに最もよく表れていた。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #赤坂夜舟

    #港区赤坂

  • 使い勝手の良い個室居酒屋、秋葉原あたらよ
    2026年8月27日 17:20






















    個室居酒屋を専門店と同じ物差しで測ると、本質を見誤る。

    一皿を深く掘る技術だけでなく、好みの違う人間が同じ卓を囲み、会話を止めずに最後まで食べられるか。

    個室居酒屋の価値は、料理の幅と流れまで含めた総合力にある。

    ただし、何でも揃っていることと、料理に一本の筋が通っていることは別の話だ。

    その境目を確かめるため、秋葉原駅から徒歩1分の「あたらよ 秋葉原店」へ。

    個室の席に着き、最初に出てきたのはピリ辛のメンマとなます。

    太く切られたメンマの辛みで酒を呼び、紅白なますの酸味で口を戻す。対照的な二つを交互に食べさせる始まり方は分かりやすい。

    続くシーザーサラダは、木鉢にレタス、大きく切ったトマト、温泉卵、クルトン、チーズ、細かなベーコン。

    目新しさを狙ったサラダではないが、最初から味を重くせず、人数のいる卓でも取り分けやすい王道の構成だ。

    舟盛りで運ばれてきたお造りは、まぐろ、サーモン、たこ、カンパチ、カツオの五種。

    まぐろとカツオの赤身、サーモンの脂、カンパチの歯応え、たこの弾力と、味も食感も被らない。華美な飾りより切り身の厚さで食べさせる盛り合わせで、コースの中でも魚を食べた実感がきちんと残る。

    ここから温かい料理へ移り、カニクリームコロッケ。

    均一なきつね色に揚がった俵型のコロッケが四つ。上からソースをかけ、横にはタルタルを添えている。

    蟹とクリームの繊細さだけを追うというより、二種類のソースまで使って濃さを足す、酒場らしい分かりやすい仕立てだ。

    厚切り牛タンは、赤みを残した断面を見せるように切り分け、糸唐辛子と青ねぎを重ねた一皿。

    厚みのある牛タンを噛んで食べる方向は明確だが、横にはフライドポテト、コーン、人参、グリーンピース、さらに黄色いパプリカまで並ぶ。

    牛タンの力強さに対して、付け合わせはどこか懐かしい洋食のようで、見た目の焦点が少し散る。この独特な組み合わせは、好みが分かれるところだと思う。

    次の焼き鳥盛り合わせは、さらに店の考え方が表れる。

    もも、皮、砂肝、ぼんじり、ねぎを串に刺さず、深皿の中でタレと合わせ、その上から大量の糸唐辛子。

    ももの肉感、皮とぼんじりの脂、砂肝の歯応えを一皿で拾える反面、一本ずつ焼きや味の違いを追う焼鳥とは別物だ。

    串を外す手間がなく取り分けやすい。名前通りの刺さない焼鳥だが、食べ方も見た目も焼鳥というより鶏のタレ焼きに近い。焼鳥の情緒より、宴会での扱いやすさを優先した料理である。

    締めは、うなぎの土鍋ご飯。

    黒い土鍋の蓋を開けると、タレの染みたご飯の上に大きなうなぎの蒲焼き。その周囲から、再びコーン、人参、グリーンピースが顔を出す。

    うなぎを細かく混ぜ込まず、大きな身を主役に置いた見せ方は悪くない。タレの回ったご飯まで一緒にかき込めば、締めとしての量と満足感も十分にある。

    一方で、うなぎと土鍋という和の組み合わせにミックスベジタブルが入ることで、見慣れた鰻飯とは着地点が変わる。彩りを足した意図は分かるが、それが料理全体を良くしているかは別の話だ。

    お造りから揚げ物、牛タン、焼鳥、土鍋ご飯へ進む順番には無理がなく、好みの違う人間を置いていかない構成もできている。

    ただ、京風創作料理として一本の美学を通すより、分かりやすい料理を幅広く揃え、個室の宴会を成立させることに軸足を置いた店だと思う。

    料理の統一感を求めて向かう店ではない。

    駅から近い個室で、魚も肉も揚げ物も食べ、最後は土鍋で腹を満たす。何を食べるかで揉めそうなメンバーが集まる夜には、この割り切りが強い。

    ただ、うなぎの土鍋ご飯にコーンが必要だったかだけは、食べ終えてもまだ答えが出なかった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #あたらよ

    #秋葉原

  • 有名焼肉のランチは極み牛丼一本。TRATT. USHIGORO 恵比寿店
    2026年8月26日 18:35





















    高級な肉を牛丼に使えば、それだけで贅沢になるわけではない。

    薄切りの肉を甘いタレでまとめる牛丼は、使い方を間違えれば肉の良さが簡単に埋もれる料理だ。

    だから見るべきはA5という肩書きではなく、脂、タレ、玉ねぎ、ご飯までを一杯として成立させられているか。

    恵比寿駅西口から徒歩4分。

    植栽に囲まれた建物の前に立つ「水・木・金限定 極みの牛丼」の看板を目印に、2階の「TRATT. USHIGORO 恵比寿店」へ。

    店内はコンクリートの天井と配管を見せながら、木の仕切りや赤いベンチシートで硬さを抑えた造り。

    「トラットリア」「トラディショナル」「フラっと」を重ねた店名の通り、うしごろの肉を気取らず楽しめる町焼肉として形にしている。

    今回の目的は、国産A5黒毛和牛を100%使った「極みの牛丼」。

    並1,200円、あたま大盛1,700円、大盛1,800円の三段階から、俺が選んだのは大盛。わかめスープも付く。

    運ばれてきた器は、ご飯がほとんど見えないほど牛肉で覆われ、その間に玉ねぎとしらたきが入る。

    一口目は甘い。

    ただ、甘さや脂がいつまでも舌に残る重さはなく、後口は意外なほどあっさりしている。

    A5黒毛和牛を一枚ずつ吟味する料理ではない。

    薄切りの肉を玉ねぎ、しらたき、ご飯と一緒に頬張った時に、牛丼として完成する。

    高価な肉の存在感だけを押し出すのではなく、大盛でも味の濃さで箸を止めさせない。このバランスに、焼肉店が作る意味を感じた。

    別添えは七味と刻みキムチ。

    途中で甘さに変化を加え、わかめスープを挟めば口も戻る。量のある丼を最後まで単調にさせない組み合わせだ。

    合わせたのは、KYOTOクラフトジンジャーエールと内臓美人茶。

    淡い金色のクラフトジンジャーエールは、生姜の刺激と甘さのどちらか一方を強く出さず、バランスの取れた味。

    大麦若葉とケールを使った内臓美人茶は、鮮やかな緑色と名前から青汁を想像するが、実際は緑茶に近く、食事にも合わせやすかった。

    ただし、看板で大きく見える1,200円は並の価格で、今回の大盛は1,800円。

    大盛を選ぶなら「A5の牛丼を安く食べる」というより、肉もご飯もしっかり入った一杯に1,800円を払う感覚でいた方がいい。

    それでも、この牛丼の価値はA5という言葉だけに頼らず、甘いのにあっさりした日常の味へ着地させているところにある。

    高級焼肉店の肉を豪華に見せるのは難しくない。

    それを肩肘張らずにかき込める牛丼へ落とし込む方が、よほど難しい。

    A5という肩書きは、店へ入る理由になる。

    食べ終えた後に残ったのは、その肩書きよりも、一杯として崩れないバランスだった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #TRATTUSHIGORO

    #恵比寿グルメ

  • 錦糸町にあるツーランク上の沖縄料理。錦のはりく
    2026年8月25日 20:49


































    しゃぶしゃぶは、肉より先にポン酢や胡麻だれの味を覚えていることが多い。

    どれだけ上質な肉を使っても、出汁が肉を泳がせるだけの湯なら、最後の印象はタレに持っていかれる。

    錦のはりくには、その逃げ道がない。

    鰹と羅臼昆布で引いた完全無添加の出汁に味を入れ、つけだれを使わずそのまま食べ切らせる。これは出汁に自信がなければ成立しない。

    錦糸町駅南口から徒歩2分、ビルの2階にある「錦のはりく」へ。

    階段を上がると目の前には長いカウンター。古木を組んだ照明と柔らかな灯りに包まれた店内は、南国の装飾で沖縄を語る大衆酒場とは違い、落ち着いて料理と向き合える和食店に近い空気がある。

    最初は、ズワイガニともずくのポン酢かけ。

    ポン酢は酸味を強く立たせず、つるりと喉を通るもずくとズワイガニの甘みを邪魔しない。一品目から、濃い味に頼らないこの店の方向が伝わってくる。

    続く海ぶどうは、シークヮーサーポン酢を別添えにすることで、粒が弾ける食感を最後まで損なわない。噛むたびに広がる塩気を、柑橘の爽やかさが軽く整える。

    ゴーヤーと焼き茄子のお浸しは、ゴーヤーの苦みを消すのではなく、焼き茄子の柔らかさと鰹節の風味で受け止める。

    どの料理も沖縄らしさを分かりやすい濃さに置き換えず、それぞれの食感や苦み、甘みを残している。

    そして、あぐー豚のしゃぶしゃぶ。

    名護市の我那覇畜産から仕入れたあぐー豚を店内でスライスし、ロースとバラを皿一面に広げる。淡い赤身と白い脂が描く盛り付けは、鍋に入れる前から期待を高める。

    まず鍋へ入れるのは、たっぷりのキャベツ、長ねぎ、もずく。出汁を吸わせたところへ肉をさっとくぐらせ、野菜ともずくを巻き込むようにして食べる。

    ロースは肉の味を素直に感じられ、バラは火が入ると脂の甘みがほどけていく。そこへ出汁を抱えたキャベツと長ねぎ、肉に絡むもずくが加わることで、脂が重く残らない。

    特に面白いのが、もずくの使い方だ。

    最初はズワイガニとポン酢を合わせた前菜だったものが、鍋では出汁とあぐー豚をつなぐ具材になる。つるりとした食感が肉の脂を軽くし、野菜まで含めて一つのしゃぶしゃぶに仕上げている。

    肉を食べ進めるほど脂が鍋へ溶け、出汁は少しずつ厚みを増していく。何もつけずに食べても物足りなさはなく、むしろタレを使わないからこそ、その変化がよく分かる。

    後半は、自家製薬膳ウコンだれを合わせる。

    最初から強い味で覆うのではなく、鍋本来の味を確かめてから変化を加える。出汁の軸を残したまま味に深みが増し、最後まで単調にならない。

    石垣牛の瞬間しゃぶしゃぶユッケは、さっと熱を通した艶のある肉に卵黄、青ねぎ、胡麻を合わせる。

    卵黄を崩して薄切りの石垣牛へ絡めれば、牛の濃い味と脂の甘みがまろやかにまとまる。あぐー豚の軽やかな脂とは異なる、石垣牛らしい力強さを楽しめる。

    合わせたのは、沖縄のヘリオス酒造が造る「くら ザ・ウイスキー シェリーカスクフィニッシュ」のハイボール。

    スコットランドの原酒と沖縄で蒸留した原酒を合わせ、オロロソシェリー樽で後熟したピュアモルト。熟した果実を思わせる甘い香りを残しながら、炭酸が肉の脂をすっきりと流してくれる。

    最後は島らっきょう。

    パリッとした歯触りと独特の辛みを、添えられた鰹節と一緒に噛み締める。鍋と肉を重ねた後でも口が重くならず、酒のつまみとしても申し分ない。

    沖縄の食材を使っているだけなら、ここまで印象には残らない。

    もずく、海ぶどう、ゴーヤー、島らっきょう、石垣牛、あぐー豚。それぞれを単なる名物として並べるのではなく、酸味、出汁、食感を使い分け、一つの食事としてつないでいる。

    沖縄料理の楽しさを残しながら、中心にあるのは和食の技術と出汁の仕事。

    つけだれを置かないという潔さが、この店の考え方を何より分かりやすく表していた。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #錦のはりく

    #錦糸町

  • 門前仲町のこだま。8月30日~9月17日まで半額。
    2026年8月19日 14:08


































    もんじゃは、焼き上がった瞬間が完成ではない。

    鉄板の上で水分が飛び、出汁が煮詰まり、同じ一枚の味が少しずつ変わっていく。

    手軽な料理に見えて、実は時間まで味方につける料理だ。

    だから俺が見るのは、具材の派手さでもメニューの多さでもない。

    最初の一口から最後のおこげまで、飽きずに食べさせる出汁と、それを支える鉄板仕事があるかどうか。

    門前仲町駅から徒歩2分、東京鉄板居酒屋 こだまへ。

    各卓に鉄板を備えた店内は、スタッフとの距離も近い気取らない空間。

    月島の老舗もん吉の味を受け継ぎ、毎朝長時間かけて仕込む出汁を軸に、もんじゃから鉄板焼き、酒のつまみまで100種類以上を揃える。

    まずはキムチと塩キャベツで酒の口を開く。

    白菜の瑞々しさを残したキムチで食欲を起こし、胡麻と黒胡椒をまとった塩キャベツで口を軽く整える。

    砂肝のチャンジャは、コリッとした歯応えに辛味が絡み、下に敷いた玉ねぎが後口を軽くする。辛味と食感の両方で自然と酒が進む。

    ここから鉄板焼きへ。

    上タン焼きは、厚みのある大判のタンに塩胡椒を利かせたシンプルな仕立て。

    表面の香ばしさの奥から、タンらしい弾力と脂の旨味が返ってくる。

    続くつぶ貝ガーリックバターは、部位ごとの形と厚みを残したつぶ貝に、一塊のガーリックバターを添える。

    熱でゆっくりと溶けたバターが貝全体へ絡み、にんにくの香りが一気に立ち上る。それでも、つぶ貝の弾力は濃厚な味に埋もれない。

    ここまでは、酒が進む鉄板居酒屋としての強さ。

    だが、この店の本領はここからだ。

    一枚目は深川もんじゃ。

    深川名物のあさりとたっぷりの青ねぎに、削り節と海苔を重ね、味の軸には八丁味噌を使う。

    出来上がった直後と、鉄板の上で少し煮詰まってからでは、あさりの旨味と八丁味噌のコクの出方が変わる。

    同じ一枚でも、ヘラを入れるタイミングによって味の表情が違う。

    深川という地名を借りただけではない。

    あさりで土地を映し、八丁味噌で食べ進める経過まで味にする。その組み立てが面白い。

    二枚目は明太もちチーズもんじゃ。

    大ぶりの明太子、角切りの餅、別添えのチーズ。

    明太子の塩気と辛味、チーズのコク、餅の粘りが重なる間違いのない組み合わせ。明太子とチーズが前に出ながら、最後には出汁の旨味がきちんと残る。

    深川もんじゃが食べ進める過程を楽しむ一枚なら、こちらは一口目から分かりやすい満足感を出した一枚だ。

    この二枚を含め、鉄板メニューはすべてスタッフが目の前で仕上げてくれる。

    土手の作り方、出汁を流すタイミング、鉄板へ広げるまでの動きに迷いがない。仕上がりに文句はない。

    ただ、俺の本音を言えば、この出汁の完成度だからこそ、自分でヘラを握り、自分の間合いで育てる余白も欲しくなった。

    職人の動きを眺めるライブ感もいい。

    それでも鉄板料理の醍醐味には、客と鉄板のタイマンもある。

    見た目は肩肘張らない鉄板居酒屋だが、中に通っているのは月島流の出汁と確かな鉄板仕事。

    八丁味噌で味の移ろいを見せる深川もんじゃと、王道を外さない明太もちチーズもんじゃ。

    方向は違っても、どちらも土台にある出汁が味を支えている。

    酒場としての間口は広く、もんじゃ屋としての芯は深い。

    気軽な店だと思って入ったのに、食べ終わる頃には出汁の店として記憶に残る。

    深川もんじゃが鉄板の上で味を変えるように、この店も食べ進めるほど最初の印象を覆してきた。

    なお、東京鉄板居酒屋 こだま月島店では、2周年を記念した半額イベントを開催。

    8月30日から9月17日までの期間限定で、メニューにあるもんじゃとお好み焼きが全品半額になる。

    飲み放題プランとの併用も可能。混雑が予想されるため、行くなら早めの予約がおすすめだ。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #東京鉄板居酒屋こだま

    #門前仲町

  • 待たせたな。忖度無しのシャクティマットのレビュー。
    2026年8月17日 19:03







    シャクティマットを使い始めて1ヶ月。

    案件でも提供でもない。誰にも頼まれていないのに、毎晩全裸で棘に刺され続けた男の感想を書く。
    シャクティマットとは無数の棘が付いたマットと枕の上に裸で寝る健康器具だ。
    激痛を我慢していると、そのうち深くリラックスできるらしい。
    完全に女王様側の言い分である。
    開発会議にドMしか出ていなかった可能性が高い。
    効果の仕組みやエビデンスも一応読んだ。でも正直よく分からない。
    話は少し逸れるが、今の若い子は知らないだろう。
    俺ら世代はシャクティと聞いたらマットより先にパットが付く。
    シャクティパット。
    白装束で人の頭をパンパン叩いていたあれだ。
    もちろん全く関係なかった。
    頭を叩かれることもない。
    その代わり、背中を数千本の棘で刺される。
    安心感の無さは一緒だ。
    そもそも気になったきっかけは、サウナでととのった時に近い感覚があるという噂だった。
    裸になってひたすら我慢する。その先に気持ちよさが待っている。
    こう書くとたしかにサウナとほぼ同じだ。
    ただ、枕とセットで約2万5000円。
    効果が無くてもまぁいいかとはならない値段。
    そもそも「家で全裸になって痛い思いをするための道具に2万5000円」と口に出すと、急に買ってはいけない物に聞こえてくる。
    渋谷に体験できる場所もあるらしい。
    ただ、レビューを見る限り一回では良さが分からないという。
    わざわざ渋谷まで行って、痛かったという記憶だけ持って帰るのも嫌だ。
    そんな時、持っている人からレンタルできるよと教えてもらった。
    1ヶ月約4000円。気に入ればそのまま買い取り、無理なら返却できる。
    これはありがたい。即注文。悪・即・斬
    そして届いた。
    箱を開けた瞬間に思った。
    想像の5倍、凶器。
    棘が思っていたよりずっと本気だった。
    これを鞄に入れている時に職質されたら用途を説明できる自信がない。
    「家で裸になって、この上に寝ています」
    正直に答えた方が質問が増えそうだ。
    同じマットでも、風呂場に敷く12本ラインのヌルヌルしたやつとは全然違う。
    あっちは寝た人間を2秒で勃たせるが
    こっちは寝た人間を2秒で立たせる。
    恐る恐る寝転がった。
    2秒で立った。クララも立った。
    痛い。
    効きそうとか、身体に良さそうとか、そんなことを考える余裕はなかった。
    レンタル初日に失敗を確信した。
    説明書を見ると、最初は短時間から始めて徐々に慣らしてくださいと書いてある。
    短時間だけは初日から完璧だった。
    理想は15~20分らしい。
    こっちは2秒が限界。
    もう気合いで耐えるしかない。
    健康器具だと思うから痛いんだ。
    女王様だと思えばこれはご褒美。
    私は豚野郎。
    SMクラブで三角木馬に跨るドMの魂をその身に宿し、女王様の棘を全身で受け止める。
    2秒後、豚野郎は逃げた。
    それでも次の日、また寝た。
    その次の日も使い、気付けば毎日寝るようになった。
    そして1ヶ月。
    今では普通に1時間寝ている。
    説明書には30分以上は使用しないでくださいと書いてある。
    初日に2秒で逃げた男が、1ヶ月後には制限時間を倍も超えている。
    メーカーもここまで急に仕上がるとは思っていなかっただろう。
    完全に説明書違反なので、ここだけは真似しないでほしい。
    で、実際に何か変わったのか。
    肩こりが楽になった感じは特にない。ストレスも普通にあるし、睡眠の質が上がったのかも分からない。
    棘の上で寝ている男に睡眠の質を聞く方もどうかしている。
    サウナみたいにととのったこともない。
    この1ヶ月ではっきり変わったのは、棘の上で1時間寝られるようになったことくらい。
    ここまで書いて一度読み返した。
    どう考えても返却する人間の文章だった。
    でも買う。
    これはもう間違いなく買う。
    効果を一つも説明できていないのに俺は買おうとしている。
    なぜか異常なくらいクセになる。
    今でも寝た瞬間は普通に痛い。でも数十秒すると身体が慣れてきて、そのまま寝ていられるようになる。
    水風呂に入った瞬間の「無理」が、少し経つと「まあいける」に変わる感じに近い。
    ただ、水風呂はそこから気持ちよくなる。
    シャクティマットは、痛みが「わざわざ起き上がるほどではない」まで下がるだけだ。
    痛気持ちいいですらない。
    普通に痛い。
    それなのに夜になると、自分から服を脱いでマットの上に寝る。
    こうして文章にするとかなり気持ち悪い。
    結局、俺が変態なのか。人間の脳にそういうスイッチがあるのか。
    それはまだ分からない。
    肩こりが治ったとは言えないし、人生が変わったとも思わない。
    でも1ヶ月後。
    白装束どころか全裸で勝手に入信していたのは俺だった。
    効果なのか洗脳なのかは分からない。
    とりあえず今夜も使うし、レンタルしたマットはそのまま買う。
    これ以上正直なレビューは無いと思う。
  • トロたく発祥の地にして元祖トロたくが食べれる。乃木坂寿司玄
    2026年8月16日 12:39




































    「トロたく発祥の系譜」と「やま幸の鮪」。

    鮨好きなら、それだけで期待値が上がる分かりやすい看板だ。

    だが、看板は暖簾をくぐる理由にはなっても、もう一度同じ席に座る理由にはならない。

    俺が鮨屋で見たいのは、その名声を一貫ごとの仕込み、温度、シャリとの一体感にまで落とし込めているか。その答えを確かめるため、西麻布の静かな通りに佇む『寿司玄』を訪れた。

    白木のカウンターを中心とした店内には、肩肘を張らせない落ち着きと、鮨へ意識を向けさせる静かな緊張感が同居している。

    今回いただいたのは、季節のプレミアムおまかせコース22,000円。

    最初は、とうもろこしの茶碗蒸し。素材の甘みを出汁が受け止め、胃と舌を静かに起こしていく。

    続いて供されたのが、名物のトロたく。

    細かく叩いた大トロに刻んだ沢庵を合わせ、おはぎのような形に仕立てている。大トロの厚い脂を沢庵の塩気と歯切れが切り、シャリまで一体となってほどけていく。

    今回、一番印象に残った一貫だ。

    発祥の系譜という背景を知らなくても、長く名物として残る理由は一口で分かる。序盤で看板を出しながら、その後の料理を霞ませないところにも店の自信が見えた。

    お造りは自家製ポン酢で軽やかに。小肌のバッテラは、酢の締め加減とシャリのほどけ方に一切の無理がなく、脂と酸が鮮明な余韻を残す。

    白身の繊細さから小肌の旨味へと重心を移し、花のように重ねられたアオリイカは山葵醤油で味わう。舌に絡むイカの質感を挟み、鯖のなめろう握り、大ぶりの車海老へ。

    車海老には黄身そぼろを散らし、弾力の中に細かな食感を重ねる。見た目のための装飾ではなく、口の中で完成させるための仕事になっている。

    西京焼きで温度と香ばしさを加えた後は、煮鮑の肝ソース。肝の濃厚なコクがコースに深みを持たせ、後半の握りへ自然につないでいく。

    そこから漬け鮪、中トロ、赤貝。

    漬け鮪に添えられた和ガラシは、辛味を残すためではなく、赤身の旨味をくっきりと立たせるための一筋。細かな切れ込みが入った中トロは、密度を保ちながら体温でほどけていく。続く赤貝の歯切れが、鮪の余韻をきれいに切り替える。

    雲丹とキャビアは、濃密な旨味を真正面から畳みかける。それでも重たさだけを残さず、穴子は塩と煮詰めの二種類で食べ比べさせる。最後は玉子、味噌汁、抹茶で静かに締めた。

    全体を通して感じたのは、シャリの塩梅の絶妙さ。

    ネタの脂や水分を受け止めながら、シャリだけが前に出ることはない。仕込みの異なる一貫一貫を、最後まで一本の流れとして成立させていた。

    そして、この店を語るなら接客も外せない。

    TOP DANDYを経てAIR本店でホストをしていた俺の先輩だけあって、会話の間、客との距離、温度の読み方がうまい。鮨屋らしい緊張感を壊すことなく、自然に居心地へ変えていく。握りの技術だけでは作れない空気が、確かにここにはある。

    トロたくの系譜や、やま幸の鮪は、客を呼ぶ看板にはなる。

    だが、また同じ席に座りたくなる理由はそこではない。

    名物に甘えず、弱い皿を一つも作らない手仕事の精度。ネタを支える絶妙なシャリ。そして、客との間合いまで含めて最後まで崩さない総合力。

    看板の名声ではなく、その裏側にある精度で記憶に残る鮨屋だった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #寿司玄

    #西麻布

  • 中目黒、佐五右衛門。美味しい焼鳥をコスパよく腹一杯。
    2026年8月15日 08:43


































    創作串やネオ居酒屋が増えた今、目を引く組み合わせや見た目だけなら珍しくない。

    ただ、変わったものを掛け合わせるだけなら簡単だ。

    焼鳥の王道をきちんと残したまま、どこまで遊べるか。その変化球を、話題性だけで終わらせず一皿の旨さとして成立させられるか。

    そのバランスを確かめるため、中目黒の「串焼専門 佐五右衛門」へ足を運んだ。

    中目黒駅からほど近いGEMS中目黒の6階。店が掲げるのは「ラグジュアリー×コスパ」。大ぶりな焼鳥を軸に、低温調理、揚げ物、豚巻き、牛串まで揃い、アラカルトで好きに選べるメニューの振り幅はかなり広い。

    まず頼んだのは、熱々マッシュルームフライと出汁が溢れるおでん大根の唐揚げ。

    大ぶりのマッシュルームを丸ごと揚げる一方、おでん大根は出汁を含ませた大根に衣をまとわせ、味噌パウダーを合わせる。

    馴染み深いおでんを、そのまま出すのではなく唐揚げへ。

    こういう少し意外な着地に、佐五右衛門らしさが見える。

    いぶりがっこと塩昆布クリームチーズは、燻香、塩気、クリームチーズのコクを重ねた酒肴。

    低温調理した鶏はらみには鬼おろしとポン酢を合わせる。同じ鶏でも、焼鳥とは違う食べ方を選べるのが面白い。

    串で印象に残ったのが、低温調理のレア鶏レバ串。

    焼くだけでは作れない質感を低温調理によって残し、レバーという素材を一般的な焼鳥とは違う角度から食べさせる。

    一方、名物のジャンボねぎまは王道を真っ直ぐに。

    名前通り一片一片が大きく、鶏と葱を豪快に頬張る。合わせるのは、昆布茶やアーモンドをブレンドした特製の山椒塩。

    見た目のインパクトだけなら「ジャンボ」で終わる。

    そこに味付けまで工夫することで、大ぶりな串を単なるボリューム勝負にしていない。

    鶏皮はタレ、せせりは山椒塩。

    こうした焼鳥らしい串を選べる一方で、同じメニューには「みたらし団子の豚バラ巻き串」が並んでいる。

    甘いみたらし団子を豚バラで巻く。

    文字だけ見れば完全な変化球だが、王道の焼鳥と同じテーブルに並べて食べるからこそ、その振り幅が余計に面白く感じる。

    トマトの豚バラ巻きにはジェノベーゼソース。

    同じ豚巻きでも、みたらし団子とはまったく違う方向へ振る。

    さらに牛ハラミまで選べる。

    鶏だけに縛らず、豚、野菜、牛まで素材を横断しながら、「串」という一本の軸だけは外さない。

    砂肝にんにくの唐揚げも、この店らしい一皿だった。

    砂肝を定番の串焼きではなく、にんにくとともに揚げ、ハニーマスタードソースを合わせる。

    普通に焼くだけでも成立する素材を、あえて違う食べ方へ持っていく。

    アラカルトで好きなものを選んでいくと、佐五右衛門の面白さがより鮮明になる。

    ジャンボねぎま、鶏皮、せせりという王道がある。

    その横には低温調理のレア鶏レバ串があり、大根を揚げ、みたらし団子を豚バラで巻き、トマトにはジェノベーゼ、砂肝にはハニーマスタードまで合わせる。

    これだけ方向性が違う料理を自由に選べるのに、店の印象は不思議と散らからない。

    それは、創作そのものを目的にしているのではなく、串焼きという帰る場所を持っているからだと思う。

    王道を食べてもいい。

    変化球ばかり狙ってもいい。

    その両方を好き勝手に行き来してもいい。

    何をどう組み立てるかまで客に委ねられているから、メニューを眺めている時間から楽しい。

    佐五右衛門は、焼鳥の王道を崩して遊ぶ店ではない。

    王道という軸があるからこそ、アラカルトで自由に遊べる店だった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #佐五右衛門

    #中目黒

  • 広尾で食べる阿部の系譜。焼鳥炎間
    2026年8月13日 19:18


























    高級焼鳥というジャンルが洗練され尽くした今、希少部位や華やかな演出で違いを見せる店も増えた。

    ただ、焼鳥は本来もっと単純で、だからこそ誤魔化しが利かない料理だと思う。

    同じ鶏でも、火との距離、当てる時間、その一瞬の判断で食感も香りも変わる。結局、最後にものをいうのは素材と火入れ。その違いを確かめるため、広尾の「焼鳥 炎間」へ足を運んだ。

    目黒「やきとり阿部」の系列店。清潔感のあるカウンターに座ると、目の前には焼き台。備長炭の熱を近くに感じながら、一串一串が仕上がっていく。

    焼鳥は決められた本数で終わるのではなく、こちらがストップをかけるまで続くおまかせスタイルだ。

    最初は、おしんこ盛り。

    きゅうり、茄子、白菜、大根で口を整え、一本目のささみへ。

    表面には火を入れながら、中にはしっとりと水分を残す。中央に添えられた山葵の爽やかさも相まって、淡白なささみだからこそ火入れの精度がよく分かる。

    大根おろしを挟み、続くのはかしわ。

    ここで炎間の焼き方がより鮮明になる。

    系列が掲げるのは、炭との距離を詰めた「近火の強火」。表面にはしっかりと焼き色をつけながら、中の水分を必要以上に逃がさない。ささみの繊細な火入れとは対照的に、かしわでは肉の弾力と旨味を力強く引き出してくる。

    砂肝は余計なことをせず、独特の歯切れの良さと炭の香ばしさを楽しむ一本。

    そこから茄子を挟む。

    大ぶりに切った茄子に鰹節。鶏の旨味と炭の香りが続いたところで野菜を入れることで、単調になりかけた舌を自然に切り替えてくれる。

    そして手羽先。

    香ばしく焼かれた皮、脂、その内側に残るふっくらとした身。強い火を当てながら焼き過ぎない。この店が得意とする火との距離感が、皮と身を一緒に味わう手羽先では特に分かりやすい。

    続くハツ元は、それまでとはまた違う力強さ。

    ささみの柔らかさ、かしわの弾力、砂肝の歯応え、手羽先の皮と脂、そしてハツ元。

    同じ鶏を焼いているはずなのに、一本ごとに食感も旨味の出方も違う。

    部位が違うからではない。

    その部位の良さをどこに着地させるかを考え、火の使い方そのものを変えているからだ。

    後半に入る揚げ豆腐もいい。

    香ばしく仕上げた豆腐にたっぷりの薬味。串だけで最後まで押し切るのではなく、こうした一品を挟むことで再び口が軽くなる。

    締めは卵かけご飯。

    卵とご飯は別々に供され、鶏のスープが添えられる。派手な締めではないが、焼鳥を食べ続けた最後に欲しくなるものが素直に並ぶ。

    炎間には、分かりやすく驚かせる仕掛けがあるわけではない。

    ささみはしっとりと。

    かしわには力強く焼き目を。

    砂肝は食感を立たせ、手羽先は皮と脂を生かす。

    ただ、それぞれの部位に必要な火を当てる。

    言葉にすると単純だが、その単純なことを一本ごとに積み重ねるのが焼鳥では一番難しい。

    焼鳥は、鶏を食べる料理であると同時に、火入れを食べる料理でもある。

    派手さではなく、炭と鶏の間にある数センチと数秒で旨さを作る。

    「炎間」という名前が、食べ終わる頃にはこの店そのものを表しているように思えた。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #炎間

    #広尾

  • まさに究極の鳥料理。赤坂薪鳥新神戸
    2026年8月10日 20:34


































    「予約困難」という肩書きだけで、店を評価したりしない。

    本当に価値がある店なら、予約の取りづらさなんて食べ終えた後にはどうでもよくなる。

    約2年待ち。

    薪火で焼き上げる焼鳥。

    そして、予約困難店として知られる鈴田式、時限堂、atamiと同じ末富グループ。

    期待値は自然と上がる。

    赤坂の繁華街。

    コインパーキングの奥にある、倉庫のような無機質な入口。

    “火災受信盤”と書かれたインターホンを押し、扉が開くと地下へ続く階段が現れる。

    その先にあるのが、薪鳥新神戸だ。

    地下とは思えないほど静かで、黒を基調とした空間の奥では、二基の炉窯に薪火が揺れている。

    席へ着く前から、香ばしい薪の香りがゆっくりと鼻を抜け、この店の主役が火であることを教えてくれる。

    今回いただいたのは、おまかせコース(27,000円)。

    最初の一本、高原比内地鶏の腿肉で、この店の実力を理解した。

    薪火で焼き上げられた皮目は薄く香ばしく弾け、その内側には驚くほど多くの肉汁が閉じ込められている。

    噛むたびに比内地鶏の旨味が広がるのに、脂は重くない。

    正直、この一本だけでも来た価値があった。

    京都高坂鳥の胸肉のたたきは黄身醤油で。

    白レバーはごま油だけ。

    余計な味を重ねず、素材そのものを味わわせる潔さが印象的だった。

    鳥節を惜しみなく纏わせたジャンボマッシュルーム。

    名古屋コーチンの砂肝。

    一番出汁のお椀。

    長州鶏のレバー。

    自家製ハリッサを添えた胸肉。

    葛葉素麺で一度口の中を整え、ふくらはぎ、トーストとリエット、ソリとオビ、比内地鶏の手羽先ねぎまと続く流れも実によく考えられている。

    どの串にも共通していたのは、薪の香りを主張し過ぎないことだった。

    薪火は前へ出るためではなく、鶏を引き立てるために使われている。

    その火入れの繊細さは、一串一串からはっきりと伝わってきた。

    そして、この店を予約2年待ちへ押し上げている理由を決定づけたのが、名物の焼そぼろご飯だった。

    炊きたてをそのまま味わった後、ジンジャーソース、かんずりねぎ、万願寺とうがらしと鶏のパウダー、最後はうずら卵。

    一杯のご飯でここまで表情が変わるのかと驚かされる。

    締めなのに単なる締めではない。

    コース最後の主役として成立していた。

    東方美人茶で口の中を整え、果実飴、自家製燻製生キャラメルで幕を閉じる。

    ここまで一切妥協がない。

    めちゃくちゃ美味かった。

    予約困難だから価値があるんじゃない。

    一本の焼鳥、一皿のご飯、一杯のお茶、そのすべてを積み重ねた結果として、「約2年待ち」という答えになっている。

    27,000円という価格も、食べ終えた頃には高いとは感じなかった。

    またあの薪火の前に座りたい。

    そう思わせるだけの理由が、この店には確かにあった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #薪鳥新神戸

    #赤坂

  • お台場の貴重なしゃぶしゃぶ、吟半
    2026年8月9日 18:53
























    しゃぶしゃぶは、どこの店でも大きな流れは似ている。

    だからこそ差が出るのは、肉の等級でも食べ放題でもない。出汁が最後まで飽きずに楽しめるか。そして肉、野菜、締めまでを無理なく味わえる構成になっているか。そのバランスを確かめるため、お台場の「しゃぶしゃぶ 吟半」を訪れた。

    店内は和を基調とした落ち着いた空間。個室を中心とした造りで、お台場の賑わいとは少し距離を置きながら食事を楽しめる。

    先付け二種、お魚、自家製茶碗蒸しと続き、序盤は軽めの構成。鍋が始まる前に少しずつ胃を整えていく流れで、コース全体にも自然なリズムがある。

    続いて木箱に盛られた野菜と茸、自家製の海老つみれ。海老つみれから旨味が加わり、野菜の甘みも少しずつ出汁へ溶け込んでいく。鍋の味が少しずつ変化していく過程も楽しめる。

    主役は国産牛上ロースときなこ豚ロース。

    国産牛上ロースは、軽く火を通すだけで柔らかく、脂も重たさより旨味が先にくる。きなこ豚ロースはしっとりとした食感で、脂にはほんのり甘みがある。牛と豚で食感や味わいが異なるため、最後まで単調になりにくい。

    締めは、肉や野菜の旨味が溶け込んだ出汁でいただくきしめん。食後は抹茶わらび餅で口の中をさっぱりと整え、コースを穏やかに締めくくる。

    しゃぶしゃぶは、特別な演出がなくても、出汁と素材、そしてコース全体の流れが整っていれば満足感は十分に生まれる。吟半も奇をてらうことなく、その基本を丁寧に積み重ねた一軒だった。

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    #しゃぶしゃぶ 吟半お台場店 

    #お台場グルメ 

    #お台場しゃぶしゃぶ 

    #お台場すき焼き 

  • 少量多皿、恵比寿の中華料理chaochao
    2026年8月7日 15:32






























    中華は大皿で賑やかに食べるもの。そんな固定観念を覆す店がある。一皿ごとの完成度を高めながら、少量多皿で最後まで食べ疲れさせない。その実力を確かめるため、恵比寿の「CHAO CHAO」へ足を運んだ。

    店内はモダンで洗練されながらも、どこか肩の力が抜けた心地よさがある。本格中華の技術を軸にしながら、日常の食事として自然に楽しめる空気感。この店の目指す世界観は、料理が運ばれる前から伝わってくる。

    最初に供されるクラゲのネギソースは、その方向性を一皿で示してくれる。コリコリとした力強い食感に、香り豊かなネギソースが重なり、爽やかな余韻を残す。前菜で終わるのではなく、この後に続く料理へ舌を自然に導く導入として機能していた。

    名物の合鴨北京ダックは、この店を象徴する一皿だ。一般的な北京ダックとは異なり、合鴨ならではの凝縮した旨味と程よい脂が際立つ。香ばしく焼き上げられた皮、みずみずしい野菜、甘味噌が薄餅の中で一つに重なり、一口で完成されたバランスを生み出している。

    エビチリ金沙粉がけは、王道にひと工夫を加えた一皿。弾力のある海老に濃厚なチリソースが絡み、金沙粉の香ばしさとほのかなザクッとした食感が奥行きを与える。ただ辛いだけでは終わらず、旨味を幾重にも積み重ねてくる。

    彩りピーマンの青椒肉絲では、シャキッとした野菜の食感と牛肉の柔らかさが絶妙に調和する。続く青菜と貝柱の強火炒めは、強火だからこそ引き出せる香ばしさと、青菜の瑞々しさ、貝柱の凝縮した旨味が一体となり、中華の火入れの技術を改めて実感させてくれた。

    点心にも一切の隙がない。やみつき肉汁の水餃子は、もちもちとした皮の中から溢れる肉汁に、XO醤ソースの深いコクが重なり、後を引く味わいへと昇華する。上海蟹小籠包は、薄い皮の中に閉じ込められた熱々のスープと上海蟹の濃厚な旨味が口いっぱいに広がり、一口サイズとは思えない満足感を残した。

    終盤は麺と米、それぞれ異なる魅力で締めくくる。名物チャオメンは香ばしく焼き上げた麺を崩しながら食べ進めることで、パリッとした部分と餡をまとった部分の食感の違いが楽しめる。五目チャーハンは米一粒一粒がほどけるように炒められ、具材の旨味をしっかりとまとわせた完成度の高い一皿。そして最後を飾る蟹肉と卵白の淡雪スープは、その名の通りふわりとほどける口当たり。蟹の優しい旨味が全体を包み込み、コースを穏やかに締めくくってくれた。

    この店が目指しているのは、本格中華を堅苦しい特別な料理にすることではない。確かな技術を土台に、一皿ごとの完成度を積み重ね、少量多皿だからこそ最後まで美味しく食べ切れる流れを作ること。その組み立てがあるから、食べ終えた後に残るのは満腹感だけではない。「また最初からこの流れを味わいたい」と思わせる、心地よい満足感だった。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #chaochao

    #恵比寿

  • 新宿千だか。毎週食べれる新鮮ホルモン
    2026年8月5日 18:33
































    ホルモンを看板に掲げる店は多い。ただ、本当に差が出るのは鮮度でも希少部位でもない。一頭から届く肉と内臓を、刺し、焼き、煮込み、スープまで一本の流れとしてどう完成させるか。その実力を確かめるため、新宿の「千だか」へ足を運んだ。

    扉を開けると、気取らない空気の中に炭火の香りがゆっくりと広がる。肩肘張る高級焼肉ではない。肉そのものと真っ直ぐ向き合うという、この店の姿勢が最初から伝わってくる。

    まずは牛タンキムチ。コクのある辛味の中から、タン特有の歯応えと旨味がしっかりと立ち上がる。ただ前菜として並べるのではなく、これから続く肉へ自然と舌を導く役割を果たしていた。

    続く本日のごちゃまぜホルモン刺し盛合せ。卵黄を絡めながら口へ運ぶと、センマイの軽快な歯切れ、ハチノスの柔らかな弾力、上ミノの小気味よい食感、コプチャンの甘い脂が、それぞれ違う個性を描いていく。それでいて臭みは一切なく、一皿として綺麗にまとまる。鮮度への自信があるからこそ成立する幕開けだ。

    とうもろこし、パプリカ、茄子の野菜は、肉の箸休めに留まらない。火が入ることで甘みが引き出され、次の一枚をより美味しく迎えるための橋渡しになっている。

    焼き物の中心となるタン、ハラミ、本日の上ロース。それぞれ方向性は違う。タンは噛み始めの心地よい弾力から旨味へ変わる流れが秀逸。ハラミは力強い肉の味わいと柔らかさを兼ね備え、本日の上ロースは脂を主張しすぎず、赤身の旨味を素直に感じさせる。余計な味付けで飾らず、素材そのものに説得力を持たせていた。

    本日のホルモン焼き盛合せでは、ハツの軽やかな歯応え、ノドナンコツのコリッとした食感、ホルモンのとろける脂が順番に表情を変えていく。同じホルモンでも食感も旨味も全く違う。その違いを楽しませる組み立てが見事だった。

    ここでネギレバテキ。絶妙な火入れによって引き出されたレバーの濃厚な旨味を、たっぷりのネギが軽やかにまとめ上げる。重厚なのに重くない。その絶妙なバランスが印象に残る。

    締めへ向かう前に登場する肉おでん盛合せは、この店の懐の深さを感じさせる一皿だ。焼くだけでは終わらず、出汁を吸わせることで肉の違う魅力を引き出している。そして最後はコムタンと節を合わせたWスープの赤。牛骨の深いコクに節の香りが重なり、辛味が全体を引き締める。焼肉店の締めという枠を超え、この一杯だけでも記憶に残る完成度だった。

    ホルモン専門店という言葉だけでは、この店は語りきれない。刺し、焼き、煮込み、スープまで、一頭の魅力を余すことなく一つのコースとして成立させる力がある。最後に残るのは「ホルモンが美味しかった」という感想ではない。「牛一頭を最後まで味わい尽くした」という、確かな満足感だった

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #千だか

    #新宿

  • 池袋のしじみラーメン。宍道湖しじみ中華蕎麦 琥珀 池袋店
    2026年8月3日 20:43
















    池袋でラーメンを食うってなると、

    正直、選択肢は多い。

    濃さで殴る店もあれば、

    話題性で引っ張る店もある。

    その中で琥珀は、少し立ち位置が違う。

    雑色の本店系譜を引く、宍道湖しじみ出汁の中華蕎麦専門店。

    池袋店はアパホテル1F。

    塩・醤油の中華蕎麦を軸に、「並・上・特上」で組み立て、

    そこに大焼売やご飯ものを添える構成。

    つまりここは、

    一杯の強さだけじゃなく、全体の完成度で食わせる店。

    ただ、その前提すら揺らしてくるのが今回の限定だった。

    蛤と鴨の中華蕎麦 醤油。

    一口目。

    感覚の核心は「滋味」。

    蛤の旨みが先に来る。

    そのあとを、鴨の脂が深く包み込む。

    強いのに荒れない。

    重ねているのに濁らない。

    醤油がその輪郭を締めて、

    喉を抜ける余韻が長い。

    限定って、足し算が雑になることも多い。

    でもこれは違う。

    主張がぶつかってない。

    全部が一つの方向に収束してる。

    そして、軸に戻る。

    中華蕎麦 上の塩。

    しじみ出汁。

    この店の本体。

    旨味は濃いのに、透明感がある。

    雑味を削ぎ落とした上で、

    必要なものだけを残している。

    具の収まり方も含めて、

    “組み立てられた一杯”としての完成度が高い。

    派手さじゃない。

    精度で見せるラーメン。

    三元豚のユッケ丼。

    卵黄の濃度で食わせる。

    ラーメンの邪魔をしない位置に収まりながら、

    単体でもちゃんと成立する強さがある。

    大焼売。

    サイズもそうだけど、

    中の肉の密度で「もう一品」として成立させてる。

    サイドに逃げてない。

    ここまで食べると、この店の設計がはっきりする。

    しじみの塩で“完成形”を見せて、

    限定で“振れ幅”を出す。

    そこにサイドで満足度を積む。

    でも、今回に限っては結論が少し変わる。

    本来この店で語るべきは「塩」だと思う。

    完成度で言えば間違いなくそこ。

    ただ、

    感情を動かされたのは、鴨と蛤だった。

    名店の看板に寄りかかるんじゃなくて、

    限定でちゃんと攻めてくる。

    しかも、それが遊びで終わらず、

    本線を食いにくる完成度で出てくる。

    ここが、この店の強さ。

    派手に煽る店じゃない。

    でも、静かに精度を積み上げて、

    必要なところでちゃんと裏切ってくる。

    池袋で、

    濃さじゃなくて“輪郭”で食わせるラーメン。

    その上で、

    一杯でちゃんと記憶を残してくる店。

    琥珀は、そういう位置にいる。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #宍道湖しじみ中華蕎麦琥珀

    #琥珀池袋店

    #池袋グルメ

    #池袋ラーメン

    #中華蕎麦

    #しじみラーメン

    #塩ラーメン

    #限定ラーメン

    #大焼売

  • 5月3日オープン。蛤しゃぶしゃぶ。出汁と鮨 橘 横浜
    2026年8月2日 13:58


































    コースには、店が描いた物語を味わう面白さがある。

    一方で、本当にその店の地力が見えるのは、好きな料理を選んでも、一皿一皿が最後には一本の線でつながる店だ。

    今年5月3日に横浜で産声を上げた「出汁と鮨 橘」。その完成度に惹かれ、7月16日にオープンした恵比寿店ではコースを味わった。だから今回は原点である横浜へ戻り、あえてアラカルトだけで組み立て、「出汁と鮨」という看板が本当に揺るがない軸なのかを確かめることにした。

    赤坂の名店「鮨 箕輪」が手掛ける一軒だけあり、暖簾をくぐると凛とした空気と、ふわりと立ち上る出汁の香りが自然と食欲を引き上げる。

    お通しから、この店らしさは明確だった。赤酢のシャリに蟹、いくら、海苔を重ねた一口。派手な演出ではなく、鮨屋としての名刺を静かに差し出してくる。

    看板の「出汁だけで食べる蛤」は、この店の哲学そのものだ。昆布出汁に口が開いた瞬間の蛤をくぐらせ、そのまま味わう。塩も醤油も必要ない。蛤から滲み出る濃厚な旨味と澄み切った出汁だけで十分に成立する。余計な味を足さないからこそ、素材の輪郭が驚くほど鮮明に浮かび上がる。

    鮨屋のなめろうは、青唐辛子の心地よい刺激が魚の脂を引き締め、酒を自然と進ませる絶妙な塩梅。同じ蛤でも、天ぷらになると表情は一変する。軽やかな衣の中へ旨味を閉じ込め、しゃぶしゃぶでは味わえない香ばしさと甘みを引き出していた。同じ食材を異なる調理法で楽しませる構成にも、この店の引き出しの多さが表れている。

    鮨と海鮮極み盛り合わせは、中トロ、真鯛、勘八、穴子、海老、サーモンに加え、鮑やいくらまで揃う圧巻の内容。赤酢のシャリとの一体感、丁寧な仕事、鮮度。そのどれもが、鮨箕輪が培ってきた技術を系列店でも一切妥協せず受け継いでいることを物語っていた。

    太刀魚のフライは、サクッと軽い衣を割ると、ふわりとほどける身が現れる。濃厚なタルタルと山葵、それぞれ違う表情で楽しめる構成も見事で、揚げ物でありながら流れを重たくしない。

    締めは、蛤や魚介の旨味が幾重にも溶け込んだ出汁で仕上げる雑炊。一粒一粒の米が旨味を吸い込み、満腹にするためではなく、この店の余韻を最後まで味わわせるための一椀になっていた。

    前回、恵比寿店ではコースを通して「出汁と鮨」の世界観を体験した。そして今回は、好きな料理だけを選んでも、その世界観が少しも揺らがないことを知った。

    料理が違っても、最後に記憶へ残るのはいつも出汁だった。一本の軸がある店は、コースでもアラカルトでも人を満足させる。その揺るぎなさこそが、「出汁と鮨 橘」の一番の価値だ。

    #DOLCE1

    #歌舞伎町ホスト

    #愛川美輝

    #出汁と鮨橘

    #横浜グルメ

    #横浜ディナー

    #赤坂鮨箕輪

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